
遺言がない場合には法定相続分に従い遺産を分割しますが、相続人全員の合意があれば、法定相続分と異なる割合で相続財産を分割することができます。これを遺産分割協議といいます。
相続人の1人でも遺産分割協議を請求すれば、他の相続人は遺産分割協議に応じなければなりません。この遺産分割協議は、相続人全員の参加が必要です。また、相続人全員の意見が一致しなければ遺産分割協議は無効となります。
遺産分割の方法
- 現物分割
遺産をそのままの形で分割する方法です。
- 換価分割
遺産を売却し金銭に換え、それを分割する方法です。
- 代償分割
特定の相続人が遺産の全部または大部分を取得し、代わりに他の相続人に金銭を支払うという方法です。
- 共有分割
遺産の全部または一部を共有して相続する方法です。分割しないほうが将来土地の値上がりが期待できる場合などにこの方法をとります。
遺産分割の期限
相続税がかかる場合には、相続開始から10ヶ月以内に相続税の申告・納付を行わなければなりません。ですので、それまでに遺産分割協議を終えておき、遺産分割協議書を作成しておきましょう。ただし、遺産総額が基礎控除額未満のときは相続税がかかりません。
相続の際の不動産の評価方法と税金
遺産分割の際には、不動産の価格は、実勢価格を基準にします。
相続税計算の際には、土地については、基本的に路線価で評価します。路線価とは道路に面する宅地の1uあたりの標準的な価格のこと
です。土地の形などに応じて調整を加えます。 路線価が定められていない地域では、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じる倍率方式
で算定します。
また、建物は、倍率方式で評価を行いますが、倍率は1倍です。
不動産の名義変更の際には、不動産価格に対して0.4%の登録免許税がかかります。不動産を所有していれば、1.4%の固定資産税がかかります。
不動産を売却する場合には、譲渡所得税がかかる可能性があります。
換価分割の場合には、譲渡所得税についても考慮する必要があります。
譲渡所得税は売却額が取得金額よりも高いときにかかり、売却額のほうが低ければかかりません。住居用不動産の場合には特例があり、3,000万円が控除されます。また、税率も軽減されます。
譲渡所得税を計算する際には、契約した金額が分かる書類が必要ですが、無い場合には、売却金額の5%を取得金額として計算します。
不動産の遺産分割についての注意点
不動産を共有にすると、トラブルの原因になりやすいです。不動産に抵当権を設定したり、売却したりする場合には、共有者全員の同意が必要となります。持分のみを売却することは単独でできますが、共有持分を買ってくれる者はほとんどいないのが実情です。もしいたとしても、安い値段で買い取って法外な賃料を要求したり、高く売りつけたりする悪質な手口が考えられます。今の代では問題がなくても、次の世代になったときには、いとこ同士が共有して問題が生じる可能性もあります。
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